もはや一気読み不可能!
一般的に週刊連載であれば2ヶ月程度でコミックス1冊分、数年で数十巻になります。長期連載の代表格・ドラゴンボールを例にすると全42巻までに10年半、NARUTO -ナルト-は全72巻(全700話)で15年です。
100巻に到達するためには20年以上必要・・・それだけ長く同じ作品を書き続けていたらさすがに絵柄が変わるのではないかと表紙を元に比較してみました。
*表紙はラフ画を作者、色塗りを装丁屋が行っている場合が多いです。なので一応探して1巻と最新刊を読んで評論しました。
あさりちゃん 全100巻
作者:室山まゆみ
連載時期:1978年(昭和53年)〜2014年(平成26年)
掲載誌:小学館の学年別学習雑誌
小学館の『小学二年生』を中心に『小学一年生』、『小学三年生』、『小学四年生』、『小学五年生』、『小学六年生』などなど学習雑誌で連載されていた作品。
特定の雑誌ではなくいろいろな所で描いてるためストーリーとしてのつながりが薄いのにこれだけ続くのはネタの宝庫。実は室山 眞弓先生(むろやま まゆみ)と室山 眞里子先生の姉妹コンビでペンネーム。
あさりちゃんが微妙に痩せていることと同じ服装なのにどことなくおしゃれになっていました。こういう作品はあまり変わらないのが特徴ですね。(ド○えもんシステム)ただ中身に関して言えば背景が明るくなりました。
鬼平犯科帳
原作:池波正太郎
漫画:さいとう・たかを
連載時期:1993年(平成5年)
掲載誌:コミック乱
ゴルゴ13を生み出したさいとう・たかを先生の作品。漫画業界の革命ともいえる分担作業で描き、実質さいとう・たかをは漫画家集団とも言えます。今でもペン要れは先生本人が行っているとのこと。(テレビ情報)いまだ精力的に描いています。
不思議と1990年代に始まったので新しい作品のようにすら感じます。大分前に絵柄が完成していたのであまり変わってませんでした。
あぶさん 全107巻
作者:水島新司
連載時期:1973年(昭和48年)〜2014年(平成26年)
掲載誌:ビッグコミックオリジナル
水島新司先生といえばドカベン(1972年~)単体ではないですが全48巻、全52巻、全45巻、26巻~でタイトルを変えながら続いています。合わせると170巻超えてます。当時はいくつもの雑誌社の仕事を受けることが多かったとはいえ、1973年以降2作品連載はレジェンドすぎます。
絵柄がそれほど変わってませんが実は水島先生はあぶさんを連載時から結構ベテラン。1958年から漫画家デビューしています。 若干体がでかくなったかも。
静かなるドン 全108巻
作者:新田たつお
連載時期:1989年(平成元年)〜2012年(平成24年)
掲載誌:漫画サンデー
テレビドラマ化を何度も行われているので名前ぐらいは知っている方も多いかもしれません。香川照之さん主演の映画もあります。
完全に違うスタンスで描かれているのでちょっと比較しにくい。108巻はかなり今風の絵柄(青年誌向けの)。頭身もちょっとだけ高くなり読みやすくなった印象です。
浮浪雲
作者:ジョージ秋山
連載時期:1973年(昭和48年)
掲載誌:ビッグコミックオリジナル
ジョージ秋山先生と言えば、松山ケンイチ主演のドラマ・銭ゲバの原作者さんです。
やはり表紙からはわかりにくいですね。元々少年誌で漫画をたくさん描かれていた方だけあって、 初期の巻数は語弊を招く表現ですが、藤子・F・不二雄や手塚治虫の表現技法(劇画の逆)へのかぶりがありました。巻が進むにつれて劇画が完成されていきました。
弐十手物語 全110巻
原作:小池一夫
漫画:神江里見
連載時期:1978年(昭和53年)〜2003年(平成15年)
掲載誌:週刊ポスト
これだけ1度も聞いたことがない作品でした。
狼の睾丸(ふぐり)の異名をとる同心・藤掛飯伍。腹の底から怒ると、手がつけられなく事から、そう呼ばれている。名奉行・大岡越前の下で数々の難事件を解決して行く。痛快・大江戸同心捕り物時代劇シリーズ! 小池一夫原作、神江里見作画のロングセラー江戸同心捕り物時代劇。
時代物の傑作で続編も短い期間ながら連載されていました。元さいとう・プロの神江里見先生の作画。
表紙は大きく違いますが、中身の絵柄はほとんど変わらない。あるいは所々薄めな表現が増えた印象でした。(ふで筆じゃなくなったのかもしれません)
美味しんぼ
原作:雁屋哲
作画:花咲アキラ
連載時期:1983年(昭和58年)
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ
グルメ漫画界の重鎮的な作品。ここまで紹介してきた中で最も変わった作品と言っても良いでしょう。原作と作画が分かれている作品は終了するタイミングが難しいので長期連載になりがちですがここまで長いのは中々珍しいです。(タイトルを変更している作品ならかなりたくさんあります。)
私は大部分の巻を読んでいるので個人的な感想をいうならば2000年代で一度絵柄が変わっています。
数十巻でホッソリとした画風が一度完成されていましたがある日を境に丸みを帯びてきました。
はじめの一歩
作者:森川ジョージ
連載時期:1989年(平成元年)
掲載誌:週刊少年マガジン
平成に生まれて未だに続いているマガジンの格闘系(ボクシング)漫画。1巻を持っている人は大体全巻持っているでおなじみの漫画。
1巻では当時のマガジン漫画らしい絵柄ですね。同時期の連載作品シュートや湘南純愛組!などマガジンは全体的にその時代ごとでガラリと作画が変わります。
現在のマガジンに溶け込めているので今から読み直したいと思うあたり進化しているのがよくわかります。
クッキングパパ
作者:うえやまとち
連載時期:1985年(昭和60年)
掲載誌:モーニング
シャクレお父さんこと荒岩一味。初登場は31歳で現在は40代です。息子の荒岩まことが高校生になるくらいまでは単行本も読んでいたのですが・・・連載当時は小学2年生。共働きの夫婦の間で真面目(時々グレつつ)に成長しました。
なんと・・・まことが140巻で就職していました。大阪の会社・花浪企画。
最初は荒岩虹子がメガネグルグルおかあさんで素顔美人だったのにいつの間にか表情豊かな人になっていました。サッパリした線になっていますね。
ミナミの帝王
原作:天王寺大
作画:郷力也
連載時期:1992年(平成4年)
掲載誌:週刊漫画ゴラク
難波金融の物語でVシネマや関西で何度もテレビドラマ化されている金融系の重鎮。
表紙だけだと結構変わったのかな?と思いがちですが中身はほとんど一緒でした。というよりも1巻からかなり絵が綺麗で仕上がっていました。
1990年代らしい画風なので古いか安定感か好みは分かれますが、今後少しずつ読んでいきたい。この漫画かなり面白いです。
ゴルゴ13
作者:さいとう・たかを
連載時期:1968年(昭和43年)
掲載誌:ビッグコミック
ご存知さいとう・たかを先生の代表作。こち亀に抜かれるまでは単体での単行本数が1位でした。ゴルゴ13は一度も休載のない作品だけど1巻1巻が分厚い(300ページ程度)ので単行本になりスパンも長いので逆転されました。
すでにプロダクションを設立した後で画風は安定していたのでそれほど違いはありません。ただ、ストーリーに関してはかなり変わっています。
分業制とはいえ脚本が不安定と言うかキャラが定まっていなかったのだと思います。そのことはアメトークとかでもよく喋るゴルゴといじられていました。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 全200巻
作者:秋本治
連載時期:1976年(昭和51年)〜2016年(平成28年)
掲載誌:週刊少年ジャンプ
2016年に連載が終了したジャンプ界のレジェンド。凶暴すぎる警察官だったあの頃を懐かしいほどに変わりました。100巻を超えてから少女漫画にも似た感じになっています。
いつからかと言われると不明ですが30~60巻ぐらい?電極家(82巻)から特にウンチク力が強化したと認識してます。
21-6(1980年)、41-6(1984年)、49-7(1986年)、62-4(1988年)、81-1(1992年)、100-9(1996年)、123-1(2000年)、144-1(2004年)、165-5(2008年)、186-8(2012年)、こち亀ジャンプ(2016年)、200-21(2016年) に日暮熟睡男が登場するのでネカフェなど揃っている場所で読むと楽しいですよ。個人的には62巻が一番面白いです。
まとめ
いわゆる劇画や青年誌で連載されている作品は周りの漫画もそれほど変化しないこともあってか完成されています。
一方で少年誌や変化が激しく少年層も読むヤング系は時代に合わせているように思います。
なお続編系は省いてます。そういえば・・・キン肉マン完結しましたね。(キン肉マン→II世→II世2部→完璧超人始祖編-全10X巻)ただし新シリーズが始まるのでまだ続きます。
私はキン肉マンII世が大好き。