町田がイケメンなのです。
この漫画はすごい 2016オンナ部門3位の作品「町田くんの世界」安藤ゆき。男が少女マンガを読むことに抵抗感はありながらも面白い作品は押さえておきたい。
2017年なのに去年の作品の紹介なのは当時読んでおけば良いと思ったのですが1巻か2巻ぐらいしか出ていなかったんですよね。
この漫画はすごい!はこれからくる漫画なのでどうしても巻数が少ないので、ある程度温まってから読むために4巻まで待っていました。
読んでみたら想定以上に少女マンガを飛びぬけて町田という心のイケメンの漫画。ネタバレも少々あるのでどうぞ。
町田くんの世界
物静かでメガネ。そんな外見とは裏腹に成績は中の下。アナログ人間で不器用。なのに運動神経は見た目どおりの町田くん。得意なことが何もないと本人は思っていますが周りからは愛されています。その理由とは…? 別マの新感覚連載、必見の第1巻です!!
そんな感じのうたい文句ですが、ためし読みで1話だけ読んでわかったことは町田がとにかく良いやつですが最初の感想です。巻数を進めると徐々に心がイケメンすぎると町田に惚れます。ちなみにためし読みは2話から始まるので、後で単行本を読むと混乱するので最初から本で読むのがお勧めです。
町田一(まちだはじめ)という男
とにかく人間が出来過ぎている町田ですが一例を挙げると
弟に水をぶっ掛けられても、いつも植木鉢の水やりをしてくれてありがとな。
ハンバーグを作ってほしいと言われれば図書館で調べる。(スマホは持たない。)
画鋲に手が届かない女の子にそっと手を差し伸べる。(女の子が少し赤くなる。)
職員室のおばさんのあんこを取ってあげる。
ボールをぶつけられても、レギュラーおめでとうで返球。
出典:町田くんの世界
クラスメイトの名前は全員知ってる。
そうこの物語の主人公町田はひたすら「人を愛し、また人から愛される」男なのです。
が残念なことにこの主人公は人を助けることにポテンシャルを置きすぎていました。
町田くんの欠点
町田くんはとにかく心のイケメンなのですが、
50m走は12.4秒である。
100mなら少女マンガの主人公に相応しい存在ですが、そんなことはない。
そして毎回のようにいじられるが、町田は成績が良くない。小テストで38点をとるような凡人以上に点数が悪く、のちのち全てが赤点だった時期もあるほ度少女漫画の主人公としての自覚を失っている。
見かけ倒しでごめん メガネなのに
と本人が言ってしまうぐらい中々の実力者である。
ハンバーグを作ろうとしても要領よく作ることはできない。料理もうまくないというステータスのほとんどを良い奴にパラメーターを振ってしまっている。
そしてなによりもイケメンではない。こういう漫画でありがちなメガネを取ると急激にイケメンに!?みたいなことも、ものもらいをした話でいかされることなく終わる。
既存の少女マンガの男の概念を打ち払おうとしているような作品です。
ナチュラル・ボーン
天然ジゴロことナチュラルボーンの町田くんです。
出典:町田くんの世界
そんな町田であるが自覚はないが女の子にもてる。ナンパをされそうになっていた猪原さん(ヒロイン)に対して、
僕の大切な人なんです
町田くん的にはクラスメートだから大切であるという意味なのだが、
ナンパに付いていくみたいなことはやめてくれ 心配だ
ダブルパンチである。
そんな猪原さんをいつの間にか落とそうとしているが猪原さんの闇はそこそこに深い。
ナンパはご飯をおごらせて食費を浮かすのが目的らしい。家族と一緒にいるのがつらいので一人暮らしをするためなのだとか・・・家族にも求められず、学校でも求められず誰にも求められていないという悲しい子なのだが、
俺は猪原さんにいてほしいよ
トリプルパンチである。
良いとこ悪いとこを見るという漫画
こういってはなんですが、町田の良さというのは実際わかりにくい。ちょこちょこ一言一言が相手のことを思いやって言葉を発していたり行動してくれたりする。天然のジゴロなのだが、ちゃんと相手を思いやった上での行動というのが優しい。ゆえに時には厳しい言葉を相手にふっかけて「何マジになってんの?」と相手に感じさせてしまう可能性も秘めている。
町田は気高い男だ
いや、特にそんな風に思ってないけど。優しいだけでなく厳しさも持っているのがやはり町田の良さです。
猪原さんに対しての神対応
猪原さんことヒロインはやたらと頭が良くてテストも町田が毎日がんばって授業受けて36点なのにサボって92点を取る才女。
猪原さんは「もっとかまってー」とうっかり発言してしまった次の話では
あれ嘘だから
と塩対応化する。
それを
俺がかまってほしいんだ
とイケメン対応をするような町田は猛者です。
そんな感じな漫画ですが人間のいやな部分をちょこっと表現する漫画だったりもします。
人間関係に疲れたときに読みたい
この漫画は心の芯にグサッと刺さりそうな内容なのですが、やわらかく書いているので癒されます。町田くんと猪原さんの恋模様もかなりゆっくり描かれているのでちょうど良い。
町田が間接的に助けてくれる
基本、この漫画では町田が中心にいるものの周りの人々の機微を読んでいく作品で町田くんが最後にひっそりまとめてくれるスタイルです。それゆえにオムニバス作品的要素もあってストーリーを追わなくても読めます。
・近所のおじいさんが子供に話しかけて事案になってしまう世の中なら陶芸教室扱いにしてくれた。
・3巻での1話はまるまるどこにでもいるサラリーマンが主人公。
まとめ
そんな町田くんの世界。町田の良さをいかしてたまにギャグを放り込んでくることもあってサクサク読めるのもまたいい所です。
第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞 第20回手塚治虫文化賞・新生賞
やたら賞を受賞しててその内アニメ化するんじゃないかと思っています。ドラマ化なら深夜枠になりそうという印象です。
猪原さんとの恋が終わりそうで全然終わらないので8巻ぐらいが出たころにどうでしょう。そうなると1年半後ぐらいで・・・