最速で泣いている男がそこにいた。
どうも、こんにちは!
映画・君の名は。凄まじい人気ですね。2日で興行収入が7.7億円突破していたり、すでに50億円突破する勢いと言われるほど。メディアはもちろんのことレビューサイトでも評価が4以上ばかりで当たり作品とは思ってましたが期待をはるかに上回ってくれました。
色々言いたいことが溢れていますがあらすじ、作品、感想(レビュー)、製作と4つに分けていきます。ネタバレ含む。
あらすじ
1200年ぶりという彗星の接近が1か月後に迫ったある日、山奥の湖を囲む糸守町に暮らす女子高生の三葉は、自分が東京の男子高校生になった夢を見る。日頃から東京に憧れを抱いていた三葉は、夢の中で念願だった東京を満喫する。一方、東京で暮らす男子高校生の瀧も、行ったこともない山奥の町で自分が女子高生になっている奇妙な夢を見ていた。 繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている記憶と時間。何度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止めてゆく瀧と三葉。残されたお互いのメモを通じ、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら状況を乗り切っていく。 引用:wikiと公式より
ありがちな入れ替わりと言ってしまえるのですが、夢の中で(寝ている間)が斬新な作りで記憶も曖昧なので現実であるのにどこか不思議な雰囲気です。通常入れ替わり物はお互い会えるのにそれができない。
立花瀧が宮水三葉になっている夢(本当は入れ替わり)にて朝目覚めたら女になってた!と衝撃的な【あるない】をするもののその詳しい1日はカットされ、三葉がいざ夢から醒めたら前日に自分が色々変なことをしていたと勅使河原 克彦と名取 早耶香に言われてノートには落書きのような「お前は誰だ?」が書かれていた。その夢が何度も続いていたことから入れ替わりであることがわかった。
とりあえず「あるない」をみれて安心しました笑。
作品
過去作作品・新海誠
まず前提条件としてこの作品が新海誠監督・原作・脚本だと言うこと。アニメ作品に多少詳しい人間なら知ってて当たり前の人だ。特に有名なのが秒速5センチメートルで、これが原因で鑑賞方法がおかしくなった。私はこの作品を5回ほど観ている。詳しいネタバレをしてしまうのは忍びないのだが、バッドエンドのような終わり方をしている。もちろん作品としてはよかったし、本当はハッピーエンドだったのかもしれない。過去にいくつもの名作を残している監督です。(これまで上映規模は小さめだった)
RADWIMPS
今作品の特徴は全ての音楽担当がRADWIMPS。主題歌を担当したとかそういうレベルではなく、BGMまで担当しているあたり俳優までこなしてしまう野田洋次郎さんの行動力なのかはわからないが音楽活動の幅広さには驚かされます。BGM担当と言うこともあって、プロット段階から作品との繋がりもあって完璧に映画のための音になっています。主題歌4つもありながら作品に違和感を全く与えないのも素晴らしかった。
・前前前世
・スパークル
・夢灯籠
・なんでもないや
キャラクターデザイン・田中将賀
ここは誰でも読めるように省くべき話ですが気になったので紹介だけしておきます。 アニメをたまに観るくらいの私でも名作と知っている、とらドラ、あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。、心が叫びたがってるんだ。の作画の人でした。
これは監督・音楽・キャラデザ完璧な布陣。
感想
開始15分で泣いた
率直に言って、この段階で涙する要素はひとつもなく、和やかな映画鑑賞をしている部分だと思います。少なくとも周りで泣いている方は誰もいなかった・・・はずです。
瀧くんと三葉が入れ替わって映画の流れを作っているのだが、伏線を張り巡らしていることがすぐに分かった。映画規模が大きいので新海監督も和やかでポップでたまに激しいラブストーリーで感動作品を作っていると予想した私の気持ちはすぐに崩れ去った。
テレビのニュースが不自然に流れていたり、音声が息多めで寂しげな雰囲気で喋っていたり・・・
ああこれ、
どうあがいても絶望する。
最終的なハッピーエンドはありえる。しかし、「瀧くん覚えてない?」のセリフと髪が結ばれているだけで絶望すると思った。秒速5センチメートルを知っている人だけが感じるバッドエンドに進んでいく予感。多分、こうなって、ああなってと展開が読めてきた。
映画館でたった一人三葉が瀧くんの体に入れ替わったシーンで泣いていた。
そして、セカンドオープニングテーマの前前前世で涙が溢れた。ここで映画を視聴するのをやめたほうがいい気がしたが、最終的なハッピーエンドはある。なぜなら大きな映画だから。ビッグタイトルゆえにどう終わるかは予測できる。新海誠監督なので、もしかしたらバッドエンドもありえる。このゆれ動きは大きかった。
あっというまの2時間
序盤が思った以上にテンポがよく中盤・ミステリの回答から終盤への流れが観ていて飽きない。
ここから終盤という所で、序盤の短さからどれくらい時間が残っているのかわからない。展開が読めないかったことは映画館特有の予想外な出来事でした。
中盤終盤、一度も集中を切らさずに次の展開を気になり続けられたのは名作の証だと思います。
なにものでもなくカフェはBOSS
人口1500人しかいない典型的な田舎に住んでいる三葉の村にはスナックは2軒あるがオシャレなカフェィは存在しない。なのに勅使河原がカフェ行こう!と提案していた。結果はただの自動販売機なのだが・・・完全なBOSS。
アニメや漫画作品ではPOSSやらBASSなど何かと大人の事情で名称を使うことは少ないのですがそこには完全なBOSSがあった。
本作は協力企業が多いのか実際の名称を使っているシーンが複数あった。その部分のディティールが鮮明すぎて印象に残った。今後BOSSとベンチを見かけたものなら私は100%カフェと呼ぶでしょう。
ここだけは外せない注目ポイント。
役者の演技が完璧だった
映画を観る直前まで心配事があった。演者が俳優だったからです。
・神木隆之介
・上白石萌音
・長澤まさみ
・市原悦子
この4人が代表的な俳優出身者だったが予告編を見る限りでは上記二人は良いと思った。実際に全編通して役者特有の違和感もなくアニメーションに集中することができた。もっと言えば奥寺ミキが長澤まさみだったことはエンディングで始めて知ったぐらいなので俳優とアニメ映画は商業的に切り離せなくなっているだけに演者のチョイスも良かった。
製作
映像美は言うまでもない
予告編の時点で映像の美しさからすでに分かっていましたが、田舎は緻密に描かれていて、完璧に美しく書かれていない部分も含めてリアリティある作画です。もちろん山の風景などは目を瞠るほど絶景です。聖地巡礼したいと思わせる作戦なのだろうか・・・
それ以上に注目したいのが美しい都会です。田舎に住んでいる三葉にとって都会は夢のようなキラキラした世界です。そういう意味もあるのか都会の人工的な建造物の素晴らしさが全面に出ていました。田舎を美しく書くことよりもずっと難しいことをやってのけたスタッフには圧巻です。
編集
異常なまでの新海ワールド。ただ、作品の規模が大きすぎるので反映されない部分も多いかと思ったら・・・
エンディングロールに編集・新海誠の名前がありました。
そりゃあ世界観出るよ!
監督・脚本って言っても実質的に仕事あんまりしてないこともある業界で完璧にこなしてくれたということです。BGMを監督自らタイミングを考えて入れてるのかな?とか思ったら熱いものを感じます。
川村元気に注目したいと思った
今思うと秒速5センチメートルが2007年(9年前)ってのは感慨深いです。それから9年後にこの規模のロードショーで新海誠監督の世界観を完璧に描かれたのは奇跡としかいいようがない。
あえて言おう。企画・プロデュースの川村元気のおかげであると・・・いや、知らないけど。(だぶん違うだろうけど。)
本編の最初に川村元気さんの名前を見かけて、やたら目立っているような気がしました。
少し調べるとああ、なるほど。
電車男の企画や聖☆おにいさん、バケモノの子のプロデューサーで近年・一番有名な企画・プロデューサーにして、世界から猫が消えたならの原作者。
この人の作品って大体ヒットしてるのですよ。告白とか寄生獣とか。
そう考えると最高の監督・脚本家と音楽と作画を集めることができたのは、この人のおかげじゃないだろうか?
違うような気がしてきた。
まとめ
今年一番・・・記憶に残っている限りでは数年で一番ぐらい面白くおススメできる作品でした。
もう一度、細かい部分も含めて見に行きたいです。
お疲れさまでした。