NHKでの2回のアニメ化・実写ドラマ化や第38回講談社漫画賞少年部門受賞、累計発行部数1000万部以上の大人気漫画ベイビーステップが連載終了しました。
マガジン愛読歴10年以上で第1話から本誌で連載を読みつつ単行本もちゃんと定期的に購読していたベイビーステップが終わるとは・・・
予兆はあったけど結構ザックリした所で完結したので感想とともに打ち切りなのか分析してみようと思います。
ベイビーステップ
小学生のときから、成績はずっとオールA! 几帳面でマジメな“エーちゃん”は、高校進学を機に軽~い気持ちでテニススクールに通い始める。そこで、ちょっぴりいい加減!?でも、テニスに懸ける情熱だけはマジメな美少女“ナツ”と出会い、テニスの魅力に取りつかれて人生激変!!成績はずっとオールA! 几帳面でマジメな“エーちゃん”が、ちょっぴりいい加減!?でも、テニスに懸ける情熱だけはマジメな美少女“ナツ”と出会ったことで、テニスの魅力に取りつかれて人生激変!? 快感、そして悶絶のらせん‥‥。数式じゃ表せない、衝撃的な人生の化学変化が始まった!!
ざっくりと説明すると優等生・真面目系主人公のエーちゃんがテニスを始めるマンガです。
そのため主人公は初期最弱。テニスの魅力に惹かれていき努力を重ね強くなっていくスタイルです。
普通のテニス漫画と違って新鮮だった
他の漫画と比べて面白かったところは3つあります。
データ型テニス
いわゆる無双型テニス漫画ではないという所が一番面白い部分でした。
主人公は頭の良さや情熱をもって真摯にテニスを行い、試合などをノートで分析して行き強くなるスタイル。
努力特化型っていえばいいのかな。
相手の弱点や自分の弱点の克服など様々な方法を用いて、力でねじ伏せるのではなくコントロールや分析で力で劣るエーちゃんは成長します。
がある時限界に達して、
アメリカで精神力(と実力)を鍛えたり、
肉体改造を繰り返して考えていることを実践できる強さ手に入れます。コツコツ積み上げて、今時ありえないくらい正当派なストーリー展開。
話の流れとして
課題→解決方法の模索→特訓→解決→課題
で強い敵に戦って爽快感を味わう漫画というより主人公が成長過程が面白いのです。
技テニスにならなかった
スポーツ漫画といえば必殺技。もうねストーリー上変化がなかったらマンネリ化するのでインフレして必殺技からの人間離れを起こすのが基本。特に少年誌だとやってしまうことが多い。
ベイビーステップに関して言えばデータテニス・技術や戦術を貫いていました。ジャンピング岡田バズーカ!を除く
エーちゃん強くなりすぎ問題もアメリカで成長する理由が描かれていたし、肉体改造も頑張ったし、論理的に強くなるなんとなく理解できました。
最後までリアル(に思える)描写で勝負してて好感持てました。異次元テニスは異次元でギャグとして面白いけどね。
学校(高校)テニスじゃなかった
これまでなかったなと思ったのがテニススクールがメインだったことでした。一般に学校のテニスだと友情要素強いです。
一方、この漫画はクラブで個人としての競技の要素が強く、エーちゃんは友達からアドバイスを貰いつつ、協力はありながらも個人として強くなっていきました。強い先輩はいるけど繋がり薄めです。(タクマや池は次元が上の存在だったような印象。)
これがよかった!みんな強くなるではなくどう自分を極めていく感じがとても好きだた。最後までエーちゃんスタイルで連載終わってくれたのも良かった。
打ち切りなのか問題
結論から言うと打ち切りはないと思っていました。
理由は3つ。
もうやるべきことがほぼなくなったのではないか?
スポーツ漫画って打ち切り作品が多く、滅多に到達ないけど、大体全国大会が目標ですよね。優勝か近いところまで行って完全燃焼して終わるのが通例。ベイビーステップでは
全日本ジュニアテニス大会の優勝が最終目標ぽくなってました。
その過程でエーちゃんのプロ転向の話も多く出てきました。元々学生テニスと違い、プロ転向が全員の目的みたいなところがありましたからね。
高校3年生になり大学進学かプロ転向かを選ぶ話とともに全日本ジュニアテニステニス大会は28巻で終了。面白さがピークに達していたし、ここで連載終了するのかと思いましたが、プロを意識していたのにプロが描かれないのも変な話です。
その後、プロも登場する全日本テニス選手権が開始しました。。面白かったけど!目新しさがなかった。
2度も言うけど凄い面白かった。
ただ、リアリティがないわけじゃないけどエーちゃん妙に強かった。
さらに色々あって待望のプロ編が始まりました。このプロ編が個人的には1番面白かったです。海外でプレイする大変さスポンサーなどなどここまで描いてくれるかと、来るだろうなと思っていたけどコーチや分析係など個人競技らしい所まで、
でももうやることないなと心の底で思ってました。
後はエーちゃん本人が強くなるしかないんですよ。
もうデータテニスで描くべきところがない。プロテニス環境も出来上がってしまい、周りの人間関係を描く作品って雰囲気でもないからエーちゃん以外描かれてもこれじゃない感になるだろうし。
そして、道半ばで連載は終了しました。ある意味もう出来上がってる感ありました。続きがあったとしても全日本ジュニアテニス大会と全く同じ試合の雰囲気になるんじゃないかな。
そこまで読みたかったけどマンネリはしてただろうなと思います。
アニメもドラマも終わったけど本誌の人気はあった
NHKで放送されたアニメは本当に良い所で終わった印象です。打ち切りというと変ですが2期で終了してます。
通常1年に1回新作アニメが放送されるので、ほぼ続きがアニメ化されることはないと思います。そもそもあの後は怒涛の試合ラッシュで2クールアニメだと難しい感あるのでまあ納得です。
それでもやってほしかったけど・・・
本誌でも掲載順は悪くなかった上、定期的にカラーで連載されてました。コミックスも変わらず売れて人気は衰えている様子はなかったです。アニメ化前よりか売れていました。
センターカラーで終了した
慣例的に連載終了する人気作品はセンターカラーで終了します。人気がなければ最終ページ近くでひっそりと終わります。
ベイビーステップはセンターカラーでページ数も若干だけ長くなっています。
マガジンを愛読していてまさかの終わり方を何度か見たことがあります。有名なので言えば、エデンの檻ですね。謎を放り出してぶちぎって終わりました。そこまでの過程はものすごく面白かったけど、完結の仕方に納得はできませんでした。
BLOODY MONDAYもひっそり打ち切られて終わりました。
ふたつに共通することは最終回がカラーなし。
本当に打ち切りなら20ページカラーなしです。状況的に打ち切りの可能性は低いです。
打ち切り・・・の可能性
追記部分です。
実は最新刊の47巻のあとがきに、
色々事情もあり、主に私の力不足でエーちゃんの人生を描くのはここまでになってしまい残念です。
また、デ杯まで描きたかったなど書いてありました。
これは打ち切り・・・センターカラーで打ち切りはかなり珍しいことです。ほとんどは人気がなくなってのパターンが多いだけに、後を見越した編集部の判断なのかもしれません。漫画は難しい世界ですね。
まとめと個人的感想と続編
ベイビーステップの連載が中途半端なところで終わって、最初は納得していませんでした。
だけど毎週ずっと読んでいることを思い出すと、良いタイミングで終わったと感想が変わりました。
連載終了するまとめられたストーリー展開ではなく、いつも通りエーちゃんは成長しテニスをやっていく、ベイビーステップらしい終わり方だったのではないかと思いました。
なんといっても10年で完結させたとこにも好感を持てます。連載開始は2007年46号で終わりが2017年48号。良い区切りです。
もし仮に続いていたとしても必ずしも最高の終わり方にならなかったかもしれません。
冷静に考えてみるとエーちゃんが一流のプロになって4大大会で優勝する姿が全く想像できないです。強くなりすぎて違和感バリバリです。ただ試合して勝つだけの漫画になってしまうかも。
後のお話は読者のそれぞれのイメージに任せとけばいいんじゃないかなと思います。
読みたくはあるけど読みたくないってのが素直な感想です。
続編の情報なく普通は連載終了時に発表されるものです。今のところはなさそうです。マガジンはヤングマガジンやモーニングで続編が描かれる場合が多いので絶対とは言えないけど。
ちなみに勝木光先生はベイビーステップが初連載です。次回作楽しみですね。
おまけ・連載終了記念なのかキンドル版がポイント増量してるっぽいです。一気読みしやすいです。(ただ、いつキャンペーンが終わるかわからないです。キャンペーンを利用する前に必ず内容を確認してください。)私はベイビーステップ単行本派なので読んだことない人におすすめですよ。